聖少女領域
037 恋文2007.01.28
伝えたい想いは喉に焼けるから
今日はきみに手紙をかこう
精一杯の今の ままならぬ愛を
気持ちをすぐさま現せる程 もう子供ではなくなっただろう
でも変えたい今があるから
余計に名前をしるす右手は震えて
明日下駄箱へと入れる腕は拒むのか
明日がこなければいい だとか
そんなことを考えては後悔する僕
それでもやってくる太陽に
真っ直ぐ向くことは難しかった
けれども渡そう
あふれて流そう
きみに明日 教えてあげるよ
036 囁かれた愛2007.01.24
愛す冪もの
正す冪もの
信ずる冪もの
貫く冪もの
何よりもまず君を感じていたぼくの
幾つもの晩を捧げた 悲しい答え
『君とは一緒には還らない』
そう告げたとき 君は泣いた
震え出して、壊れそうで、消えそうになって…
抱き寄せる前に出発のベルが鳴るから
ぼくは少し口惜しくて そしてどこか安心をした
幸せになればいい
ぼくみたいな奴とは離れ切って
嫌いにでもなればいい
そして新たに出逢うそのひとと
淡い恋をすればいい
あなた…2007.01.21
あなたを不意に一人にさせたのは誰です
こんなにも涙で濡らされてしまって
あなたを毎度急がせたのは誰です
ほうったら息を切らしてしまわれますよ
あなたを声を出して笑かしたのは誰です
楽しげによろこばれていて何よりですが
あなたを心配させこまらせたのは誰です
孤独に思い悩む夜をもいっしょに与えて
あなたをこの世につくられたのは誰です
そうね できればわたしがよかった
035 蒼穹の傷痕2007.01.18
人間のため息が
辛くなると見上げて吐いたため息が
涙を隠しながらひっそりとついたため息が
もう何百、何千もの
想いは浮かんで たまって
きれいな青空には傷が 形をみせる
こんなのかすり傷だよ 平気だよ
やさしさの広がりに満ちたきみはいう
そうして気付けなかったぼくが 無駄に流したじかんによって
きみには大きなあとがのこった
それでもまだ がまんをするの
ぼくのせいなのに
ずっと雲にでもかくしてもらうつもり?
ぼくのせいなのに
何のためなのか 計り知れないきもちで耐え続く
もしかしたら得なんて手にできないかもしれない
うれしい事とはかけ離れているかもしれない
でも そんなことは口に含めず
きみはまだ がまんをするの
034 掻き消された景色2007.01.15
冷めない赤いペンキと
星の輝きに劣らぬラメを少しだけ持って
あなたはわたしの前に現れた
ぼんやりと 夢ばかりみていたわたしの
目の前に塞がっていた白黒の景色を
一気にあなたはぬり出して
まんまと光の粒をふり掛けた
ただ一色に
赤く 赤く ただその一色に
わたしの心までもほんのり染められて
わたしはあなたに恋をした
黒染2007.01.11
なにもないまち
見わたせば ビルと空と
ありあまる 羊雲
しなやかな 雪景色の
みはらしは 素敵です
見当たるところは静けさと
昔咲いたシラユリの姿はもう見つけられなくて
…きみがいなくなった
ただそれだけで、こんなにもまちは色を塗り変えた
永遠と時光り2007.01.08
時をうしなう光陽が 僕をくらませる
赤くうごいた小指が 僕をむすばせる
わけもわからぬ木霊が 僕をだまらせる
永遠を響かせようと
祈りました僕に 罰が下ったのです
033 掴まれた腕2007.01.06
振り払うことができなかった
ぼくも顔を伏せ立ち尽くすばかりだったけれど
温もりがいまだ残るきみの手から伝わった震えで
余計にかなしみはぼくを罵った
ひとり 飛んでいった小鳥はないてたかな
いくら叫んでも仲間は来ないそう
ぼくらの終わりを叫んでいた
新たな一年2007.01.01
この世も新たな一年を迎える
この世も新たな 竹の子がふきだす
この世も新たな たんぽぽが顔だす
この世も新たな 椰子の木が伸びゆく
この世も新たな はなびが花咲く
この世も新たな セーターが綻ぶ
この世も新たな 惑星がまたたく
この世も新たな 縞馬が小走る
この世も新たな ひな鳥が泣き出す
この世も新たな 微笑みがあふれる
この世も新たな 悲しみがこぼれる
この世も新たな 生命が加わる
この世も新たな 人々が繋がる
こうして新たな芽吹きと共に
この世もまた新たな一年を迎える
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